カラヴァッジョ作品「女占い師」
みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
さて、連続してカラヴァッジョの作品を紹介してきましたが、先日のブログの中で最後に「女占い師」という作品を少し触れましたが、今回はその「女占い師」という作品についてみなさんにご紹介していきたいと思います。
この作品はカラヴァッジョの初期におけるもっとも有名かつ傑作と称される作品の一つです。
「女占い師」にはバージョン違いが2種類あり、原作は1594年に描かれ、現在はローマのカピトリーノ美術館に展示されており、2枚目は1595年に描かれ、現在はパリのルーブル美術館に展示されています。
「女占い師」には、おしゃれな洋服を身にまとった少年が、自分の手のひらを、ジプシーの少女に見せている姿が描かれています。少年は少女の顔を満足そうに見つめ、少女も少年を見つめ返している。しかし、よく絵を見てみると、少女は少年の手を握りながら、彼の指からこっそり指輪を抜いており、少年はそれに気が付いていない様子にも見て取れます。占い師といいつつも詐欺に近い瞬間をとらえています。
「女占い師」と「トランプ詐欺師」は、1954年に描かれたカラヴァッジョの2つの風俗画として知られていますね。
「女占い師」は「トランプ詐欺師」よりも前に描かれ、カラヴァッジョがジュゼッペ・ツェザリのワークショップを離れて、自分で絵を売って生計を立てていくことを決めた時期と重なるといわれています。
それではまた。
阿加井秀樹