「ルシファー」
みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
今回ご紹介する作品はフランツ・フォン・シュトゥックの「ルシファー」という作品をご紹介いたします。
フランツ・フォン・シュトゥックはドイツの画家であり、彫刻家で、版画家、建築家でもある多才な人物です。
シュトゥックはスイスの象徴主義の画家であるアルノルト・ベックリンに影響を受け、主に神話なども題材にした絵画を多く残しています。
「ルシファー」はシュトゥックの暗黒期に発表された作品で、人間と悪魔が混在した存在が描かれています。
ブルガリア国王のフェルディナンド1世は、本作をソフィア市にある皇帝コレクションに加えるために、シュトゥックのスタジオから1891年に直接購入しました。
1930年12月25日、息子で次期ブルガリア国王であったボリス3世が国立博物館の所蔵に加え、1948年よりブルガリア国立美術館の所蔵となっています。
1985年に国立外国美術館に移転され、2015年以降はファンド・ギャラリーの「Square 500」で管理されています。
この作品のタイトルでもあるルシファーはもともとは天使でしたが、神からアダムとイブに仕えるように指示され、不満を持ち神と対立した結果、天から追放され神と対立するもの、悪魔と形容されるようになりました。
悩んでいるような姿でなにかを凝視している姿は不気味さえ感じますが、どこか哀愁すら感じさせ、いわゆる人間味すらも感じます。
一度見ると目が離せなくなるのもこの作品がもつ力なのでしょうか。
それではまた。
阿加井秀樹