美術鑑賞を嗜む生き方 阿加井秀樹

はじめまして、阿加井秀樹と申します。趣味は美術鑑賞です。いただいた美術品が私にとって声も出ないほどの感動を与えました。その感動を皆さんにも伝えたいそんな気持ちでこのブログを書き記してまいります。

阿加井秀樹が伝えるキリストのブリュッセル入城の幻惑

みなさんこんにちは阿加井秀樹です。

 

今回ご紹介する作品は、キリストのブリュッセル入城という作品です。

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本作品はジェームズ・アンソールの代表作とも呼ぶべき作品となっております。

 

画面中央奥からこちらへ向かって、大きなヒトの波が押し寄せています。

 

その行進の両脇にも、ありとあらゆる人が鈴なりとなって、この騒動を晴れやかな心持ちで見守っています。

 

喜びや祝福の声をあげながら、行進に参加中の人々は、その波にもまれながらも、無秩序に蠢いています。

 

正装した彼らの中には、仮面を被り得体の知れないナニモノかに扮した道化者も見受けられます。

 

その後ろには軍楽隊が華やかな音楽の調べにのせて、この喧噪の主賓が、登場します。

 

右掌を高々と掲げたその人は驢馬 に股がり意気揚々としています。

 

今、まさにイエス・キリストの地に顕われたのです。

 

1889年にブリュッセルに入城したイエス・キリストを描いた作品となります。

 

様々な人がキリストの入城に歓喜しているのが作中を見るだけで確認ができます。

 

また、アンソールの独特な絵のタッチやその中でも表現されている人々の歓びはアンソールにしか描けない素晴らしい作品となっております。

 

アンソールを学ぶならこの作品から入ってみてはいかがでしょうか。

 

それではまた。阿加井秀樹

阿加井秀樹が紹介するジェームスアンソールの陰謀の魅力

みなさんこんにちは阿加井秀樹です。

 

今回ご紹介する作品は、陰謀という作品です。

 

本作品はジェームズ・アンソールの作品で一説では結婚式を絵画として

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描いた作品と言われています。

 

アンソールは1880年代半ば以降、仮面や骸骨に代表されるグロテスクな主題を描くようになります。

 

レンブラントの銅版画、北斎の浮世絵、初期のフランドル美術、イタリアの仮面劇コメディア・デラルテなどを探求し、独自の世界観を確立していきます。

 

そんな彼が描いた陰謀は、アンソールの妹マリエットが実家の土産物屋に出入りしていた卸業者の中国人と結婚し、1年で離婚したことに基づいて描かれたと推測されています。

 

画面中央のシルクハットをかぶった人物が結婚相手の中国人で、その隣で飾りのついた帽子をかぶっているのが、新婦のマリエットです。

 

アンソールの描く仮面は、グロテスクで不気味である一方、どこかユーモラスで憂いをたたえているようにも見えます。

 

カーニバル用の仮面や東洋の骨董など、アンソールの作品のモチーフは、実家の土産物店で売られていたものから多く取られています。

 

ベルギー近代美術と言われる彼の作品はグロテスクな表現が多く本作品も彼らしい一作となっております。

 

本作品は現在ベルギーで保管されているものの日本でも何度も公開されている作品となりますので機会があれば観賞してみてはいかがでしょうか。

 

それではまた。阿加井秀樹

阿加井秀樹が紹介する叛逆天使の墜落の魅力

みなさんこんにちは阿加井秀樹です。

 

今回ご紹介する作品は、叛逆天使の墜落という作品です。

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本作品はピーテル・ブリューゲルの作品で、ヒエロニムス・ボス風の作品を求めるパトロンの要望より描かれたと考えられる作品群の魔女フリート、死の勝利の一つで、豊かな色彩が用いられております。

 

本作品は、ヨハネの黙示録における、大天使ミカエルに率いられる天使たちにより、ルシファー率いる反逆天使たちが天界から追放されるエピソードが画題となっております。

 

上方に光の大きな輪があり、そこから下方に向かって半獣の形で表現された反逆天使たちが落下しています。

 

中央には大天使ミカエルが描かれ、彼が率いる天使たちは、怪物とも見える反逆天使たちと戦っております。

 

ブリューゲルは、本作品に見られるような善悪の戦いを画題とし、繰り返し作品を制作しております。

 

なお、彼の生きた時代においては、天国と地獄、天使と悪魔のような宗教的なテーマは今に比べると非常に身近なものでした。

 

現在は、ベルギー王立美術館の所蔵されております。

 

約10年という年月をかけて描いた本作では、天使と堕天使の戦いが大きなテーマとして掲げられており、作品から伝わる入り組んだ天使と堕天使が見受けられます。

 

しかしながら宗教的な意味もあるのでしょうか、

天使の優位性が見て取れます。

 

機会があれば観賞することをお勧めします。そ

 

れではまた。阿加井秀樹

 

阿加井秀樹が紹介するイカロスの堕落のある風景について

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

 

今回ご紹介する作品はイカロスの墜落のある風景という作品です。

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巨匠ピーテル・ブリューゲル初期の代表的な作品であるイカロスの墜落のある風景は、古典神話を題材とした現存する画家唯一の作品としても知られる作品と


なっております。

 

本作に描かれるのは、オウィディウスの転身物語より、クレタ島の王ミノスに仕えた伝説的な名工ダイダロスが、自身の裏切りによってミノス王に捕らえられている息子イカロスの救出を目論み、

息子イカロスに蝋と羽で拵えた翼を与え空から脱出を試みるも、脱出途中で興奮した息子イカロスが空高く舞い上がったために太陽の熱で蝋が溶け、海へと墜落して死してしまうイカロスの墜落の場面で、イタリアでの修行からの帰国直後頃に描かれたと考えられております。

 

本作で墜落するイカロスの扱いは非常に小さく、画面右部の帆船の下に下半身だけが描かれ、画面の大部分は農耕に従事する民の姿とブリューゲル初期様式の特徴である高位置の視点による風景描写によって占められていることや、構成はほぼ忠実に転身物語の記述に従い描かれています。

 

しかしながら、水平線に近い低い位置に描かれる太陽には相違が認められます。

 

また一部からは、老農民の姿に人が死しても、鋤は休まぬというネーデルランド地方に伝わる諺の解釈が指摘されております。

 

イカロスとダイダロスの話は有名ですが、違った角度から観賞できる本作は当日の背景や、ブリューゲルの印象をくみ取れる作品となっております。

 

現在は、ブリュッセルのヴァン・ブレン美術館にございますので、機会があれば観賞することをお勧めします。

 

それではまた。阿加井秀樹

 

「エッフェル塔」

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

 

今回ご紹介する作品はロベール・ドローネーの「エッフェル塔」という作品です。

 

ロベール・ドローネーは、フランスの抽象画を代表すると言ってもいい存在の画家です。

 

ピカソが提示した、キュビスムの手法で描かれた抽象画を数多く発表しました。

 

ピカソや初期のキュビスムの画家たちと比べてみても、ドローネーの描くキュビスムの作品は、色鮮やかで独創的でした。初期のキュビスムの作品は、人物画や静物画で描かれることが多く、色彩もそれほど鮮やかではありませんでした。

 

ですが、ドローネーは町並みや建物などの風景画を数多く描き、美しい色彩が印象的な作品を数多く発表しています。

 

この作品は特に鮮やかな色彩が幻想的な雰囲気を醸し出しています。晩年には、キュビスムを超えたオリジナリティあふれる作品を多数発表し、独特の色彩が持つ魅力は、新しい芸術運動の先駆けであると讃えられました。

 

どちらかというと無機質な印象を受けることが多い抽象画ですが、ドローネーの描く絵画には独特の美しさと温かみがあるものでした。

 

激しい印象の絵画が多い中で、ドローネーの描く幻想的で柔らかな印象の抽象画は、ひときわ異彩を放っています。

 

それではまた。阿加井秀樹

 

「食前の祈り」

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

 

今回ご紹介する作品はジャン・シメオン・ジャルダン「食前の祈り」です。

 

「食前の祈り」は手前にいるやっと祈りの言葉を覚えた弟が食事の前に祈りを捧げようとしているところを母親と姉が暖かく見守っている日常が描かれている絵画です。

 

背景の色も暖色を用いており、見ているだけで哀愁は感じつつもこの親子の幸せな一面が見て取れます。

 

この絵画からは、当時のフランスの厳格な日常を垣間見る事ができます。

 

背景が暗いのに対して人物は明るく描かれている事から、母親と姉の暖かさ、弟が一生懸命祈りを捧げようとしている姿がより強調されていると私は思います。

 

この絵画の作者であるジャン・シメオン・ジャルダンは、1699年の18世紀、フランスパリ出身のロココ時代フランス絵画の巨匠です。

 

1718年から画業を始め、1733年頃から風俗画を描き始めます。その多くがこの「食前の祈り」のような日常を描いたものでとても高く評価されています。

 

この絵画が描かれたのは1740年だそうです。

 

ちなみにこの年はフランスでは凶作だったといわれています。

 

今では食事ができることが当たり前になっていますが、食事をするだけでも恵まれた環境にいることを再認識することができる作品のひとつだと思います。

 

それではまた。阿加井秀樹

「夏の木陰」

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。今回ご紹介する作品はジャン=アントワーヌ・ヴァトーの「夏の木陰」です。

 

アントワーヌ・ヴァトーの「夏の木陰」はロココ美術の美しさがとてもよく伝わってくるとても素敵な絵画です。

 

木陰の中央には太陽の光を浴びている男女が描かれ、周りにも木陰で隠れていますが、二人の男性と一人の女性等様々なものが描かれています。

 

木陰になっている部分をじっくり見る事でどういう絵なのかを理解する事ができる、とても奥深い素敵な一枚です。

 

この素晴らしい絵画は、現在愛知県にあるヤマザキマザック美術館に所蔵されています。

 

世界的に有名で偉大な芸術家の美術品が日本にあると知った時、私はとても驚きました。まだインターネットの美術館系のサイトでしかこの絵画を見た事がありませんが、せっかく日本にあるのですから、いつか必ず見てみたいと思います。

 

ヴァトーは、生まれながら身体があまり強くなかったそうです。残念ながら結核で37歳の若さで亡くなってしまいますが、病に倒れた後、それでも最後まで絵を描こうとしている様子が手記に残されています。

 

それほどまでに芸術を愛した彼の作品をもっと見てみたかったと思わせる一枚です。

 

それではまた。阿加井秀樹