海景画家と呼ばれたクロード・ロラン
阿加井秀樹です。みなさんこんにちは。
クロード・ロランは人物を主体に描き、風景は真剣に取り組むものではないと考えられていた時代に、人物よりも風景を主体的に描いたバロック・フランス古典主義の画家です。
同時代の画家のローマン・カンパーニャとともに風景画家と呼ばれますが、カンパーニャがあくまでも人物を主体にしたのと対照的に、ロランの場合は人物を片隅に配置し、風景を主体にしたところが当時の風景画家といわれた画家との一線を画したところで、ロランの作品では、あくまでも大地や海、空といった風景が主題となっています。
代表作のひとつである「海港 シバの女王の上陸」は、旧約聖書の一説を描いたもので、エルサレムのソロモン王が優れた知恵を持つ王だと聞いたシバの女王が悩みを聞いてもらうためにエルサレムを訪れたシーンが描かれています。
ソロモン王への献上品を船から降ろすシーンは、穏やかな海の様子、柔らかい日の光の朝の中のシーンとなっており、透明感のある絵です。
ロランは生前、ロランのことを記録する人がいなかったことから、人物像がよくわかっておらず、弟子に対して親切であったなど僅かなことが伝えられている限りです。
なお、ロランはあくまでも風景に拘り、人物をおまけと考えて、人物を他の画家に依頼することがあったそうです。
では、また。
阿加井秀樹