みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
今回もルーブル美術館展の作品について紹介していきます。
今回ご紹介する作品はエカチェリーナ・ヴァシリエヴナ・スカヴロンスキー伯爵夫人の肖像という作品です。この作品はエリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブランによって制作された作品です。ルブランがロシア滞在中に描いた作品でもあります。
スカヴロンスカヤ伯爵夫人はグリゴリー・ポチョムキンの姪で愛人であり、エカチェリーナ2世のお気に入りの女官でした。
彼女の姉妹と並んで、エカチェリーナ2世治世下のロシアの宮廷で特権的立場にありました。スカヴロンスカヤ伯爵夫人は教育を受けておらず、会す内容も空疎で、一日中無為に過ごしていたそうです。ですが、かわいらしい顔と天使のような愛らしさが彼女の比類のない魅力となっていました。
この時、夫人は35歳の未亡人で、非常に裕福だったそうです。
服とクッションに使われた明るい青色と赤色が彼女の肌を官能的に見せると同時に、やわらかな雰囲気を生み出しています。
夫人と彼女の5人の姉妹たちは、初めのうちは教育を受けておらず無知でしたが、宮廷に出入りするようになると洗練されていき、ロシアの宮廷で最もひいきされる存在となり、ほとんど王族と同じような扱いを受けました。
ポチョムキンとは生涯、断続的に愛人関係にあったとされます。1781年にスカヴロンスキー伯爵と結婚するが、伯爵は10年後に死去。のちにイタリア人の提督と再婚したそうです。
ではまた。
阿加井秀樹