ヨハネス・フェルメールの「婦人と召使」
みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
今回はわたくし阿加井秀樹が好きな画家の作品についてご紹介していきます。
その画家はヨハネス・フェルメールです。真珠の耳飾りの少女で非常に有名な画家ですが、今回はそれではなく「婦人と召使」という作品について触れていこうと思います。
こちらがお馴染みの「真珠の耳飾りの少女」
本作の主題は、優雅な女主人と女中が、受け取ったばかりの手紙に2人で目を通しているところです。フェルメールの作品は、この絵画にみてとれるように複数のキャラクターを扱うことで有名です。
本作品では、女主人の優雅なファーライン付きオーバーコートを黄色で、また、女中のエプロンと絹のテーブルクロスを青色で大胆に描くなど、フェルメール特有の技法が披露されています。
家仕事が題材となっており、注目すべき点は、日常の活動が描かれていることです。フェルメールは女性を含めた、家仕事を題材にすることで知られており、黄色と青色、女性のモデル、家庭的なシーンといったものを起用することは、全てフェルメールの特徴であるとも言えます。
また、照明が左からあたり、女主人の顔に落ちていて、机の影は足下にかかっています。光のきらめきがとても分かりやすいが、深く心理学的には暗示を伴うそうです。
まだ開封していない恋文を見つめている女主人を見てみると、おそらく遠距離で誰かと関係をもっているのでしょうか。密かな一瞥とボディランゲージをして、互いに寄り添う女主人と女中の関係性もほのめかされています。女主人は唇を噛み、指先で下あごを持ち上げ探るような態度で、悲しみに暮れてじっと注視する。
女主人の横顔はもろくぼやけ、漠然としていることから、女性とは弱く愛らしいという考えが意図的に表現されているのではないでしょうか。
ではまた。
阿加井秀樹