ジョヴァンニ・ベッリーニ作「サン・ジョゼッペ祭壇画」
みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
今回はジョヴァンニ・ベッリーニという画家の「サン・ジョゼッペ祭壇画」という作品についてみていこうと思います。
この作品は1487年に完成しました。ヴェネツィア派の大きな作品的特徴ともなった、極めて縦長に伸びている作品です。
聖会話というのを主題にした本作は祭壇画の中でも代表的な作品といっても過言ではありません。中央の玉座に構える聖母子とその下の楽器を弾く子供、これは天使という見方が主流です。
全体的な構図としては遠近法が用いられております。それにより空間的楮の高い構図の中に深い精神性と内に秘めた感情までも表現された人物像が画面下部に配置されています。
それにより、作品全体に高度な安定感と祭壇画としての最大の目的である崇高的価値も示されています。祭壇画ということであるので描かれている人物は非常に有名な方が多くフランシスコ会の創始者である聖フランチェスコにはじまり洗礼者ヨハネや旧約聖書ヨブ記に登場する聖ヨブなどが描かれており、右側にはドミニコ会の創設者聖ドミニクス、三世紀末の古代ローマの近衛兵で疫病に対する守護聖人である聖セバスティアヌスに続き、ナポリ国王ロベール・ダンジューの弟で1317年に聖人として認められた聖ルイの姿が描かれています。
ではまた。
阿加井秀樹