ポール・ゴーギャン作品「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」
みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
今回はポール・ゴーギャンの絵画「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」をご紹介したいと思います。
ゴーギャンは、1888年末にゴッホとの共同生活を終え、その後タヒチに渡りましたが、貧困や病気に悩まされて結局1893年フランスに帰国しました。
しかしパリで絵が売れずに妻子にも見放されてしまい、愛人にも裏切られ居場所を失ったゴーギャン。1895年に再度タヒチに渡航。
異国の地で貧困にあえぐ中、最愛の娘の死の知らせを受けたときに、完成後の自殺を念頭に人間の生と死を描いた晩年の遺書のような意味合いで描いたのがこの作品です。
絵画は、右側から左側にかけて大きく分けて3つの場面構成となっています。右側の赤子と家族は「人生の始まり」を表し、中央の果実を取る人物は「成年期」を、左側の年老いた老婆は「人間の死」を表現したと言われています。
左側に配された神像については諸説ありますが、いずれにせよ、人間を超越する存在である「超越者」として描かれているということです。
また、老婆の足下に描かれた白い鳥について、ゴーギャンは「奇妙な白い鳥が、言葉がいかに無力なものであるかということを物語っている」と書き残しています。
それではまた。
阿加井秀樹