みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
今回ご紹介させていただく作品は先日のブログでも少し触れたカラヴァッジョの作品「エジプトへの逃避途上の休息」についてご紹介します。
この作品はバロック美術らしいテイストを多く含んだ作品でもあります。
またこの作品はカラヴァッジョ初期の代表的な宗教画のひとつです。
この作品の主題はユダヤの王ヘロデがベツレヘムに生まれる新生児の全てを殺害するために放った兵士から逃れるため、エジプトへと旅立った聖母マリアと幼子イエス、マリアの夫の聖ヨセフを描いたエジプトへの逃避途上の休息ですが、カラヴァッジョはヴェネツィア派の影響を思わせる豊かな色彩と、天使を配することによって、場面をより広く見せようと試みていることが、研究者から指摘されているそうです。
バロック美術の特徴としてはより人の特徴をリアルに表現しているところで特に幼子イエスを抱きしめる聖母マリア。不安と安堵の表情を浮かべる聖母マリアと、色彩豊かに描かれる本作からは、休息に伴う独特な静寂感のほか、ある種の甘美性をも漂わせているようにも感じます。
それではまた。
阿加井秀樹