みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
ミレー繋がりで今回もミレーの作品についてご紹介していきます。
今回は以前も軽く触れました落穂ひろいという作品についてです。
私、阿加井秀樹の中でも5本の指に入るほど好きな作品の一つです。
落穂拾いといのは収穫後の田畑に散らばる稲穂や穀物の茎穂を拾う作業のことを言います。ミレーは収穫期の借り入れが終わった後の畑で落穂拾いをする貧しい人々に着眼しこの作品を描いています。
貧しい人々を表現しているだけあり、この作品のぱっと見のイメージは哀愁がある。と思われる方が多いですが間違った感覚ではありません。
実はこの作中で描かれている3人の女性はこの畑の持ち主ではありません。ましてや、小作人でもありません。
彼女らは普通に食べていくのも苦しい、近くに住む貧しい住民なのです。なぜ畑の持ち主はなにも言わないのか・・・と思ったかもしれませんが、実はキリスト教の教えが影響しています。
旧約聖書ではあなたが畑で穀物の刈り入れをして、束の一つを畑に置き忘れたときは、それを取りに戻ってはならない。という文章があるほどです。
つまり、落ちた穂や残していたブドウやオリーブは在留異国人、みなしご、やもめの者に分け与えないといけないということです。
全世界が共通した思想を持ち同一の宗教を信仰していたら世界はもっと平和になっていたかもしれませんね。
それではまた。
阿加井秀樹