みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
近鉄グループの文化事業である大和文華館にて、「茶の湯の美術展」が開催されています。絵画・書跡・工芸の名品が集う展覧会で、美術品の鑑賞や創造と深く結びついた茶の湯の世界に触れることができます。
喫茶は禅寺における生活規範として位置づけられ、社交の道具として武家の間にも広まり、室町時代には、権力者たちが唐物を飾り立てた豪華な空間で喫茶を楽しみました。
その一方で、室町時代後期頃より、禅を礎にして精神性を重んじた佗び茶が生まれ、深められていきました。桃山から江戸時代にかけては、時代を先導する多彩な茶人たちが輩出しました。茶人たちは、自らの茶風に合う道具を選び取り、新しい道具の創出にも関わりました。こうして喫茶の風習は、多様な分野の美意識を結集した独自の文化、茶の湯となったのです。
近代には、多くの財界人たちが茶の湯に親しみ、著名な茶道具を蒐集するとともに、茶席に新たな種類の美術品を飾りました。
本展では、そのような歴史を持つ“茶の湯”の世界を紹介すべく、国宝や重要文化財を含む同館所蔵の79件の名品が展示されています。5月19日まで開催されているとのことですよ。
それではまた。
阿加井秀樹