みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
今回ご紹介するピサネロの作品は「聖ゲオルギウスと王女」という作品についてご紹介していきたいと思います。
この作品は1436年から1438年にかけて制作されたとされており、現在はヴェローナ・サンタナスタジア聖堂ペッレグリーニ礼拝堂に所蔵されています。
この作品自体フレスコ壁画で長年の間礼拝堂の壁から雨漏りに晒されていたため左側の部分はひどく損傷しています。
損傷を免れた部分は19世紀に壁から取り外されました。
この作品を調べたときに出てくる画像などはひどく損傷している左側部分が除外された画像のみが出てきます。
伝説にある通り、まさに王女を貪らんとする竜の討伐に向かうため、自分の馬に跨がろうとする聖ゲオルギウスの一瞬を現存の部分が表しています。
王女の右後ろには、3頭の馬に乗った騎士達とうずくまる雄牛が描かれており、左に見えるのは猟犬とお供の犬です。
この作品の左側を占めるのは、ゲオギウスの船が出航しようとしている場所の周辺に列をなした野次馬の群衆であり、比較的小さな割合で描写されています。
また、描かれている様々な人物画が精密に観察されたものだということは、ピサネロによる膨大な数の素描やワークショップが物語っています。
それではまた。
阿加井秀樹