みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
今回もフランツ・フォン・シュトゥックの作品についてご紹介していきたいと思います。
今回ご紹介する作品は「サロメ」です。
この作品は1906年に描かれたとされており、この作品のテーマは、黒人の使いにより洗礼者ヨハネの切り首が献上されたことにより、喜びの舞を踊っているサロメとなっています。
この作品はシュトゥックの代表作ともされており、こちらのテーマも神話から来ています。
ほかの画家もこのサロメを題材にした絵画が多く残されていますが、シュトゥックのサロメはほかの作品とは変わった印象を受けます。
このテーマの詳しい背景として、サロメはへロディアの娘で義父の異母兄弟であるアンティバスの宴に招かれました。
屋敷の牢屋には洗礼者ヨハネがおり、へロディアとアンティバスが不倫関係にあったことを糾弾したことにより捕まっていました。
その宴の最中にサロメは喜びの舞を踊りました。
その踊りに大喜びをしたアンティバスは「お前の望むものを褒美にとらせよう」といいます。
サロメは間髪を入れずに「ヨハネの首を」と答えます。不倫を糾弾したヨハネを母へロディアは強く憎んでおり、サロメにそう言うように仕向けたのが原因とされています。
当然「聖人」とされているヨハネの首を報酬として願ったサロメは悪女として中世から近世まで多くの画家のテーマとして扱われました。
このテーマはとても興味深い作品ばかりです。
それではまた。
阿加井秀樹