「エウロパの略奪」
みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
今回もレンブラント・ファン・レインの作品についてご紹介していきたいと思います。
彼は17世紀オランダ絵画黄金期に活躍した巨匠といわれており、スポットライトを当てたような強い光による明瞭な明暗対比が特徴的な画家です。
今回は数ある作品の中でも個人的に好きな作品である「エウロパの略奪」という作品をご紹介したいと思います。
この作品はギリシャ神話が題材とされており、明暗対比がどの作品よりもはっきりしていて引き込まれる作品です。
テーマとなっているエウロパの略奪というのは神であるゼウスが人間の美女エウロパに白い牛に化けて近づきエウロパが油断して背中に乗ったところを海に入っていき海原を渡り、クレタ島に連れ去るというシーンをテーマにしています。
その後ゼウスはエウロペに正体を明かすとそのまま関係を持つことになり、三人の子供を身に宿しました。
ほかの画家などもこの題材を使用した絵画を残していますが構図はどれも白い牛とエウロペが画角の半分を占めることが多い構図ですが、レンブラントは全体の半分にもみたない画角で連れ去られるシーンで叙情的に表現しています。
また、この明暗のはっきりとした対比が連れ去られるエウロパの悲劇を描き、一方でゼウスが化けた牛はまるで照明が当たっているかのような明るさがあり、一時的な幸福に浸っているかのような感じになっています。
それではまた。
阿加井秀樹