「受胎告知」
みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
今回ご紹介する作品はダ・ヴィンチの受胎告知です。
受胎告知は1472年から1475年ころにレオナルド・ダ・ヴィンチが制作した油彩作品です。レオナルド・ダ・ヴィンチの実質的なデビュー作品として知られていますね。
また、彼の油彩作品の中では最大のサイズのひとつでもあります。
受胎告知はルカによる福音書1章26~38節の部分で、神から遣わされた大天使ガブリエルが処女マリアのもとを訪れ、果てしない統治を行い神の子と呼ばれイエスと名付けられた子どもを授かった受胎告知の場面を描いたものです。
この作品は西洋芸術史において非常に人気があり、初期ルネサンスの画家フラ・アンジェリコよる作品をはじめ、フィレンツェの芸術世界で何度も描かれてきたものです。
その後、美術史における確立されていく写実絵画に比べると稚拙はあるもののレオナルドの絵画の特徴や指向性、特に遠近法を用いて写実的な正確さを追求したレオナルドの制作姿勢がよくあらわれた作品でもあります。
大天使ガブリエルの背中に生えている翼は現実的な鳥の翼を描いている点が珍しいですし、当時、天使の翼は非現実的な金色で描かれるのが一般的だったが、レオナルドは現実の鳥の翼を描いたことでも知られています。
それではまた。
阿加井秀樹