みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
今回ご紹介する作品は千住博のザ・フォールです。
この作品は、千住博の代表作といわれ、1995年のベネツィア・ビエンナーレではザ・フォールで、東洋人として初めての名誉賞を受賞しました。滝をイメージした作品で、こちらの画像では大変わかりづらいのですが、タテ3.4メートル、ヨコ14メートルの大作となっております。作品にまつわる逸話としては、会場設営にあたっていた作業員の不注意で作品に溶けた熱いコールタールが付着してしまい、思わずそれを素手で払った千住博は大火傷を負ったといわれています。授賞式には、千住博が手に包帯を巻いて出席したことも有名ですね。1996年に出されたウォーターフォールも、白い背景に黒い墨を用いて、勢い良く水の流れ落ちる滝を生き生きと描いた作品でとても好きな作品です。
千住博は工学博士とエッセイストの両親の間に生まれ、音楽やデザインにも親しみながら日本画を志しました。大学卒業後は日本画家の稗田一歩に師事し、風景をメインの題材として独自の世界を切り開いていきます。日本の自然に限らず、世界の景色を日本画に落とし込んだ作品が有名で、世界的に評価されています。
それではまた。
阿加井秀樹