美術鑑賞を嗜む生き方 阿加井秀樹

はじめまして、阿加井秀樹と申します。趣味は美術鑑賞です。いただいた美術品が私にとって声も出ないほどの感動を与えました。その感動を皆さんにも伝えたいそんな気持ちでこのブログを書き記してまいります。

「真鶴沖」

「前田青邨 真鶴沖」の画像検索結果

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

 

今回ご紹介する作品は前田青邨の真鶴沖です。

 

前田青邨は、日本の伝統的な大和絵を学び、ヨーロッパ留学で西洋絵画、とくに中世イタリア絵画の影響を受け、武者絵などの歴史画から花や鳥といった自然物まで幅広い題材の作品を制作しました。画壇から日本画界の発展を支え文化勲章を受賞したほか、法隆寺金堂の壁画の修復や高松塚古墳の壁画の模写など、歴史的・文化的事業にも多く携わった芸術家です。

 

真鶴沖は、真っ青な海の色が印象的な、源平の合戦をモチーフに描かれた作品となり、石橋山の戦いで敗れた源氏の兵士らが、海から小船で敗走するシーンを描いています。従来の日本画とは一線を画する色使いを、平家物語という古典に用いる前田青邨のセンスは、海外留学などで磨かれたものかもしれませんね。精緻に描かれた甲冑などのディテールも必見です。ご存知の通り、平氏と源氏の長きにわたる戦いは源氏の勝利と繁栄をもって終わりを告げます。その終幕を予感させるようなビビッドな色使いの日本画です。

 

それではまた。

阿加井秀樹