阿加井秀樹が伝えるブリューゲルの作品
みなさんこんにちは阿加井秀樹です。
今回ご紹介する作品は、ベツレヘムの人口調査という作品です。
本作品は、ピーテル・ブリューゲルにより1566年に描かれた作品です。
本作品の題材は旧約聖書の物語に基づいています。
イエスの両親であるヨセフとマリアの時代、全世界の人口調査をせよとの勅令がローマ皇帝アウグストゥスから出たことで、
ヨセフとマリアもガリラヤの町ナザレを出て、
人口調査とともに住民登録を行い、
画面下にはロバに乗ったマリアとロバを引くヨセフが描かれています。
題材は聖書の物語ですが、
舞台は当時ピーテル・ブリューゲルが生きた16世紀のフランドル地方の冬になっています。
これはピーテル・ブリューゲルが圧政と税金に苦しむ民衆の姿を風刺的に描いたものだと言われています。
私は本作品より、
キリストの誕生、当時の情勢また、
ブリューゲルが一番描きたかったのはヨセフとマリアについてなのではないかと感じました。
一つの風刺画に詰め込むことで、
演出するブリューゲルにはさすがに脱帽いたします。
現在ベルギー王立美術館に収蔵されており、
余り目にする機会は少ないですが、
1度は拝見したい作品と思っております。
それではまた。阿加井秀樹