阿加井秀樹が紹介するルエルの眺め
みなさんこんにちは。
阿加井秀樹です。
今回ご紹介する作品は「ルエルの眺め」です。
印象派を代表するクロード・モネの作品で、1858年に描かれ、現在は埼玉県立近代美術館に所蔵されています。
モネの出発点といっても過言ではない作品ですが、それゆえにあまり有名な作品ではありません。
モネは小さいころから絵がうまく、近所で有名になるほどでした。
その才能を一目で見抜いていた風景画家のウジェーヌ・ブーダンは、
出会って間もないモネを何度もデッサンに誘い戸外で絵を描くようになります。
この「ルエルの眺め」は、ル・アーブル近郊にある小さな村を訪れたときに見た、ルエルという川の風景を描いたものと言われています。
そしてこの作品はモネが初めて出展用に描いた油彩画でもありました。
水面に映る木々や生い茂る緑、雲が入り混じる青空など細部まで緻密に描かれたこの作品を誰が初めて描いたと思うでしょうか。
ブーダンの影響を受けて描いた作品なので、
印象派と呼ばれるモネの独特な筆遣いは感じられませんが、
それはそれでとても貴重な作品といえるのだと思います。
印象派と呼ばれる前の作品も、もっと見る機会を増やしていきたいと思います。
それではまた。阿加井秀樹