みなさんこんにちは。
阿加井秀樹です。
今回ご紹介する作品は「スラヴ叙事詩」です。
チェコの画家アルフォンス・ミュシャによって1910年から1928年にかけて描かれた壁画サイズの作品で、スラヴ民族の歴史やスラヴ神話など全20作品から成り立っています。
オーストリア・ハンガリー二重帝国の支配下にあったチェコが民族意識に目覚め始めたころ、さまざまな芸術家や著者が、自国の文化や歴史を様々な分野で表現していました。
そして1900年のパリ万博でボスニア・ヘルチェゴビナ館の装飾を手掛けたミュシャは、その時スラヴ民族のことを調べたことをきっかけに「スラヴ叙事詩」を制作することを決めたと言われています。
中には最大で高さ6メートル、幅8メートルから成る作品もあり、迫力のある作品であることは言うまでもないでしょう。
色の明暗がはっきりと分かれており、個人的には暗い色合いのなかに照らし出される光の部分の色使いがとても魅力的に感じます。
色使いだけでなく、人や建物、衣類など細部にまでこだわって丁寧に描かれているので目を凝らして見てみるのもいいですし、
超大作なので1枚1枚の作品を想像しながら見るのもまた面白いかもしれません。
それではまた。阿加井秀樹