「エッフェル塔」
みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
今回ご紹介する作品はロベール・ドローネーの「エッフェル塔」という作品です。
ロベール・ドローネーは、フランスの抽象画を代表すると言ってもいい存在の画家です。
ピカソが提示した、キュビスムの手法で描かれた抽象画を数多く発表しました。
ピカソや初期のキュビスムの画家たちと比べてみても、ドローネーの描くキュビスムの作品は、色鮮やかで独創的でした。初期のキュビスムの作品は、人物画や静物画で描かれることが多く、色彩もそれほど鮮やかではありませんでした。
ですが、ドローネーは町並みや建物などの風景画を数多く描き、美しい色彩が印象的な作品を数多く発表しています。
この作品は特に鮮やかな色彩が幻想的な雰囲気を醸し出しています。晩年には、キュビスムを超えたオリジナリティあふれる作品を多数発表し、独特の色彩が持つ魅力は、新しい芸術運動の先駆けであると讃えられました。
どちらかというと無機質な印象を受けることが多い抽象画ですが、ドローネーの描く絵画には独特の美しさと温かみがあるものでした。
激しい印象の絵画が多い中で、ドローネーの描く幻想的で柔らかな印象の抽象画は、ひときわ異彩を放っています。
それではまた。阿加井秀樹