風神雷神図屏風
みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
今回は少し嗜好を変えて日本画に分別される屏風絵について紹介していきたいと思います。屏風絵は国宝に位置付けれられております。今回は『風神雷神図屏風』という作品についてです。
本作は、金箔が一面に貼られる屏風の中に、右側から黒雲に乗り風を操りながら舞い降りる風神の姿を、左側から力強く雷太鼓を打ち鳴らす雷神の姿を描いた俵屋宗達の代表作として古来から伝えられると共に、今日、我々が頭に描く風神・雷神の形象を決定付けた作品でもあります。
実はこの作品に関する記録や文献はおろか、画面に款記も印章も残されていないそうです。
風神・雷神の表現においても当時としては極めて独創的であり、対をなす神の姿を調和と均整を感じさせる白色(雷神)と緑色(風神)で描いたことは、画家の並外れて優れた色彩感覚の表れであるほか、嬉々として舞い降りるかのような神の表情は、観る者に強烈な印象を与えます。
なお本作が後世に与えた影響は甚大であり、多くの日本画家たちが模作を残しています。京都の建仁寺が所有権を有しているものの、保存状態や保護設備、資料的価値等の点を考慮し、現在は京都国立博物館に収蔵され、建仁寺には精密なレプリカが展示されているのです。