ルノワール作品『ぶらんこ』
みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
今回はわたくし、阿加井秀樹も好きな画家である巨匠ルノワールの作品について紹介していきます。
今回ご紹介する作品は『ぶらんこ』です。
画家随一の代表作『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場』と同時期に描かれ、同作同様に印象派を代表する画家で友人だったギュスターヴ・カイユボットが、かつて所有していた本作は、当時ルノワールが借りていた家のぶらんこのある大きな庭園で過ごす人々を描いた作品で、主人公となるぶらんこに乗る女は『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場』にも登場する若き女優ジャンヌをモデルに描かれたと推測されています。
『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場』
本作を良く見比べると確かに似ているようにも思います。画面全体を覆う大きめの斑点状のやや荒いタッチによる光の効果的な描写は、今でこそ理解され観る者を強く魅了するものの、当時は類の無い表現手法から酷い悪評に晒されたそうです。
当時、労働者階級にあった人々を描いた作品ですが、そこにあったであろう重々しく疲弊的な雰囲気はぶらんこの作品には一切感じられず、明るく愉快に過ごす人々の生や喜びを強く意識し描いたことは、ルノワールの絵画における信念や思想の表れでもあるのだと思います。
それではまた。
阿加井秀樹