阿加井秀樹です。みなさんこんにちは。
迫力のある場面構成と優れた色彩表現によって、後世の画家、ゴッホやルノワールにも影響を与えた画家がドラクロワです。
当時古典主義が主流であった中、ドラクロワはロマン主義へと転向し、
「ダンテの小舟」「キオス島の虐殺」といった作品を生み出し、
そして代表作である「民衆を導く自由の女神」を生み出しています。
[ダンテの小舟]
ドラクロワの作品は、その迫力とテーマ故に、ときに賛否両論を巻き起し、論争になってしまう場合があります。
例えば「キオス島の虐殺」は、同時実際にあった事件をテーマにして描かれた作品ですが、絵画によって虐殺を描いたといった酷評を受けています。
しかし「キオス島の虐殺」は、結局のところ評価されて政府買い上げとなり、
その後、代表作である「民衆を導く自由の女神」が制作されているのです。
「民衆を導く自由の女神」の中心にいる女性は実際にいた女性ではなく、
自由の女神像ニューヨークのシンボルともいえる像ですから、知らない人はいないことでしょう。
ドラクロワはまた、大量の日記が残っていることでも有名です。
日記は1822年に始まり、一時中断するものの、生涯を閉じる間際まで書き綴られています。
日記の中身は自身の日常的な事柄だけでなく、
絵画や詩、音楽について考察が行われており、
当時のパリの様子やドラクロワの足跡を追うことができる貴重な資料になっています。
ドラクロワは自由と洒脱さで今もフランス人が憧れる画家のひとりであり、
最期に移り住んだアトリエは国立美術館となっています。
では、また。 阿加井秀樹