写実を排したルネサンスを代表する画家・サンドロ・ボッティチェリ
阿加井秀樹です。みなさんこんにちは。
ルネサンスというと様々な芸術家たちを生んだ時代ですが、
サンドロ・ボッティチェリはそのルネサンス期を代表するフィレンツェ生まれの画家です。
しかし、当時のボッティチェリは現在のような高い評価を得ていた画家ではなかったといいます。
一応、独立して仕事をし、公的注文を受けて名声を得ていたものの、
ボッティチェリが高い評価を得たのは、19世紀に入ってからです。
これは当時のヨーロッパが、ルネサンスという新しい文化が生まれつつも、
ボッティチェリの絵画を受け入れるほどの多様性がなかったためといわれています。
またボッティチェリの作品は、異教的といった評価を受けて、焼却されたものも多いといいます。
ギリシャ神話の影響が強い作品で、ヴィーナスが海の泡から誕生したところが描かれています。
キリスト教を扱ったものでないにも関わらず、172cm×278cmという珍しく大きなサイズで描かれています。
また写実をあえて排した「ヴィーナスの誕生」は、そのことによりより一層美が強調された作品になっています。
ボッティチェリの作品では「プリマヴェーラ(春)」も有名ですが、
こちらも当時の技法を模倣するのではなく、
ボッティチェリが生み出した独自の様式で描かれており、
その意味でボッティチェリはフィレンツェ唯一の手法を持った画家といってよいでしょう。
では、また。
阿加井秀樹