美術鑑賞を嗜む生き方 阿加井秀樹

はじめまして、阿加井秀樹と申します。趣味は美術鑑賞です。いただいた美術品が私にとって声も出ないほどの感動を与えました。その感動を皆さんにも伝えたいそんな気持ちでこのブログを書き記してまいります。

「アテナイの学堂」を考察

 

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

 

今回はルネッサンス期の中でも最も有名な作品と言っても過言ではない、ラファエロアテナイの学堂についてお話していきます。

 

この作品は作者を含む偉人のオールスターが集結している作品です。

今回のブログではまず登場人物を見ていきます。

 

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中央には哲学者のプラトンと、アリストテレスがいます。プラトンは先日の洗礼者ヨハネのような人差し指を天に向けて描かれています。プラトンのモデルはまさしく、ダヴィンチだといいます。

 

一方アリストテレスは、ミケランジェロという説があります。ですが、石段に座り、何か書いている哲学者はヘラクレイトスになり、モデルはミケランジェロと言われています。ミケランジェロをモデルにした人物が2人もいるのはどこか違和感がありますね。

 

そして、左下で大きな本を片手に何かに没頭している人は数学者のピタゴラスです。ピタゴラスというと聞いたことがある人が多くいらっしゃると思いますが、ピタゴラスの定理ピタゴラスです。

 

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次は右下の赤色の服を羽織り、地面の板書を指さしているのが数学者エウクレイデスです。この人は幾何学の父と評されるほどの人物です。

 

そして、プラトンアリストテレスとくればソクラテスも当然入っています。無知の知で有名の人です。この人は中央左寄りのこげ茶色っぽい横を向いた男性だといいます。

 

まだまだ有名な人がいますがそれはまたの機会にご紹介します。

 

ではまた。

阿加井秀樹

 

 

レオナルド・ダヴィンチ作品『洗礼者ヨハネ』

 

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

 

今回は私、阿加井秀樹もとても好きな画家の一人でルネッサンス芸術の第一人者のレオナルドダヴィンチ『洗礼者ヨハネについてお話していきたいと思います。

 

この作品はダヴィンチが生前手元に残した作品としても有名です。ダヴィンチはこの作品を含み三作品を手元に残したといいます。「モナ・リザ」と「聖アンナと聖母子」という作品だそうです。

 

そしてこの作品の特徴として、主題の洗礼者ヨハネが人差し指を天に向けているのが印象的です。某お笑い芸人のネタではなくちゃんとした理由があります。

 

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これは「見よ、神の子羊という福音書上の場面を表現しているポーズとなります。ダヴィンチの作品の多くは聖書や、イエスキリストを題材にした作品が多いのは彼が生きた時代背景も大きく影響していると考えられますし、作品のいくつかには人差し指を立てた人が描かれている作品が一つではなくいくつもあります。

 

この人差し指が示す意味というのは再びイエスが降臨してくるという意味が含まれているといいます。

 

そして、2つ目の特徴としては、洗礼者ヨハネの「顔」にあります。モナ・リザ同様男性でもなく女性でもなく中性的な顔つきをしています。

 

これはモナ・リザの話をしたときにも言いましたが簡単に言うとダヴィンチ自身のアイデンティティーというのが一番簡単な表現かと思います。

 

 

それではまた。

阿加井秀樹

 

 

風神雷神図屏風

 

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

 

今回は少し嗜好を変えて日本画に分別される屏風絵について紹介していきたいと思います。屏風絵は国宝に位置付けれられております。今回は風神雷神図屏風という作品についてです。

 

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本作は、金箔が一面に貼られる屏風の中に、右側から黒雲に乗り風を操りながら舞い降りる風神の姿を、左側から力強く雷太鼓を打ち鳴らす雷神の姿を描いた俵屋宗達の代表作として古来から伝えられると共に、今日、我々が頭に描く風神・雷神の形象を決定付けた作品でもあります。

 

実はこの作品に関する記録や文献はおろか、画面に款記も印章も残されていないそうです。

 

風神・雷神の表現においても当時としては極めて独創的であり、対をなす神の姿を調和と均整を感じさせる白色(雷神)と緑色(風神)で描いたことは、画家の並外れて優れた色彩感覚の表れであるほか、嬉々として舞い降りるかのような神の表情は、観る者に強烈な印象を与えます。

 

なお本作が後世に与えた影響は甚大であり、多くの日本画家たちが模作を残しています。京都の建仁寺が所有権を有しているものの、保存状態や保護設備、資料的価値等の点を考慮し、現在は京都国立博物館に収蔵され、建仁寺には精密なレプリカが展示されているのです。

 

 

サンドロ・ボッティチェリ作品「柘榴の聖母」

 

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

 

今回はイタリア、ルネサンスの画家サンドロ・ボッティチェリの絵画であるトンドとよばれる円形の板にテンペラで描かれた作品の柘榴の聖母を紹介していきます。

 

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なぜ、ざくろなのか気になった人は多くいるのではないでしょうか。ざくろ「キリストの復活」の象徴とされるそうです。

 

古代ギリシャ・ローマでは、プロセルピナ(春の女神)と結びつけられ世に春をもたらし、大地を復活させる女神である。これが「復活」と結びついたのでしょうか。

 

多くの種子を持ち、硬い皮に包まれていることから、権威の下での人々の結束の象徴でもあり、純潔の象徴ともされたそうです。ちなみにこの時代の神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世(1459-1519)は、柘榴を紋章としているというから驚きです。

 

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「マクシミリアン1世」の肖像画

 

この作品の特徴はざくろもありますが、中央に位置する聖母マリアの虚ろな表情にあります。抱きかかえている幼子のイエスの将来茨の道であることを既に知っているかのような憂いに満ちたこの表情はボッティチェリだったからこそ表現できたのではないでしょうか。

 

板に描かれたこの作品の大きさはなんと直径で140㎝以上もあるそうです。非常に大きな作品であり、この作品をとても繊細に描いています。先日紹介した祭壇画のような崇高的価値が高い作品だと思います。

 

ではまた。

阿加井秀樹

 

 

ジョヴァンニ・ベッリーニ作「サン・ジョゼッペ祭壇画」

 

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

 

今回はジョヴァンニ・ベッリーニという画家の「サン・ジョゼッペ祭壇画」という作品についてみていこうと思います。

 

この作品は1487年に完成しました。ヴェネツィア派の大きな作品的特徴ともなった、極めて縦長に伸びている作品です。

 

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聖会話というのを主題にした本作は祭壇画の中でも代表的な作品といっても過言ではありません。中央の玉座に構える聖母子とその下の楽器を弾く子供、これは天使という見方が主流です。

 

全体的な構図としては遠近法が用いられております。それにより空間的楮の高い構図の中に深い精神性と内に秘めた感情までも表現された人物像が画面下部に配置されています。

 

それにより、作品全体に高度な安定感と祭壇画としての最大の目的である崇高的価値も示されています。祭壇画ということであるので描かれている人物は非常に有名な方が多くフランシスコ会創始者である聖フランチェスコにはじまり洗礼者ヨハネ旧約聖書ヨブ記に登場する聖ヨブなどが描かれており、右側にはドミニコ会の創設者聖ドミニクス、三世紀末の古代ローマの近衛兵で疫病に対する守護聖人である聖セバスティアヌスに続き、ナポリ国王ロベール・ダンジューの弟で1317年に聖人として認められた聖ルイの姿が描かれています。

 

 

ではまた。

阿加井秀樹

 

 

ルノワール作品『ぶらんこ』

 

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

 

今回はわたくし、阿加井秀樹も好きな画家である巨匠ルノワールの作品について紹介していきます。

 

今回ご紹介する作品は『ぶらんこ』です。

 

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画家随一の代表作ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場』と同時期に描かれ、同作同様に印象派を代表する画家で友人だったギュスターヴ・カイユボットが、かつて所有していた本作は、当時ルノワールが借りていた家のぶらんこのある大きな庭園で過ごす人々を描いた作品で、主人公となるぶらんこに乗る女は『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場』にも登場する若き女優ジャンヌをモデルに描かれたと推測されています。

 

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ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場』

 

本作を良く見比べると確かに似ているようにも思います。画面全体を覆う大きめの斑点状のやや荒いタッチによる光の効果的な描写は、今でこそ理解され観る者を強く魅了するものの、当時は類の無い表現手法から酷い悪評に晒されたそうです。

 

当時、労働者階級にあった人々を描いた作品ですが、そこにあったであろう重々しく疲弊的な雰囲気はぶらんこの作品には一切感じられず、明るく愉快に過ごす人々の生や喜びを強く意識し描いたことは、ルノワールの絵画における信念や思想の表れでもあるのだと思います。

 

それではまた。

阿加井秀樹

 

 

アルフレッド・シスレー作品「ポール=マルリーの洪水」

 

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

 

今回はアルフレッド・シスレーポール=マルリーの洪水という作品についてお話していきます。1876年のポール=マルリーを襲ったセーヌ川の氾濫をテーマとしたシスレーの代表作です。シスレーは、この年の洪水を描いた6点の絵画を残していいます。

 

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どんよりとした雲空の下、あたり一面を水が覆っている描写は画面全体が彩度の低い暗色系の色彩で包まれ、それは、災害用のボートに乗る人々の窮状と同調しています。

 

一方、建物の矩形と水平線が基調となった安定した構図が採用されており、洪水という惨劇を過度にドラマ化することを避け、冷静な目で描いています。

 

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普段見慣れた街の変貌した様子に寄せたシスレーの関心が前面に現われているかのようです。そんな日常にもある不安的要因として、予期しない出来事や外的要素によって、平穏な日常が破壊的に侵食され、変容してしまう姿を描いた本作であるものの、波立つ水面の筆触を感じさせる描写や、厚い雲間から射し込む陽光によって微妙に変化する色彩の自然的な表現は、観る者に強い印象を与えるだけでなく、王制の影響や痕跡が強く残るポール=マルリーの街の歴史を刻む記録画的な作品としての側面もあります。

 

 

ではまた。

阿加井秀樹