阿加井秀樹が伝えるキリストのブリュッセル入城の幻惑
みなさんこんにちは阿加井秀樹です。
今回ご紹介する作品は、キリストのブリュッセル入城という作品です。
本作品はジェームズ・アンソールの代表作とも呼ぶべき作品となっております。
画面中央奥からこちらへ向かって、大きなヒトの波が押し寄せています。
その行進の両脇にも、ありとあらゆる人が鈴なりとなって、この騒動を晴れやかな心持ちで見守っています。
喜びや祝福の声をあげながら、行進に参加中の人々は、その波にもまれながらも、無秩序に蠢いています。
正装した彼らの中には、仮面を被り得体の知れないナニモノかに扮した道化者も見受けられます。
その後ろには軍楽隊が華やかな音楽の調べにのせて、この喧噪の主賓が、登場します。
右掌を高々と掲げたその人は驢馬 に股がり意気揚々としています。
今、まさにイエス・キリストの地に顕われたのです。
1889年にブリュッセルに入城したイエス・キリストを描いた作品となります。
様々な人がキリストの入城に歓喜しているのが作中を見るだけで確認ができます。
また、アンソールの独特な絵のタッチやその中でも表現されている人々の歓びはアンソールにしか描けない素晴らしい作品となっております。
アンソールを学ぶならこの作品から入ってみてはいかがでしょうか。
それではまた。阿加井秀樹