みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
今回はレオナルド・ダ・ヴィンチの代表作「最後の晩餐」についてご紹介していきたいと思います。
この作品は、キリスト教の聖書に登場するイエス・キリストの最後の晩餐を描いた作品です。「このなかに私を裏切る者がいる」と語り静かに運命を受け入れるキリスト。キリストとは対照的に、驚惜と動揺を隠せない十二使徒。
ある者は意気消沈し、ある者はわれを忘れて叫び、ある者は哀願するようにキリストを見つめる。ただひとり身を引いているのが裏切り者のユダ。
表情や身ぶりによるこまやかな心理が描写され、3人ずつに分けて構成された絶妙な人物配置とキリストを中心とした明快な一点透視図法による空間の深さなど、いずれをとっても、これ以前に他者が描いた「最後の晩餐」の図には見られない画期的な作品です。
レオナルドは1495年から制作に取りかかり、1498年に完成させています。ほとんどの作品が未完とも言われているレオナルドの絵画の中で、数少ない完成した作品の一つではありますが、最も損傷が激しい絵画としても知られています。
レオナルドは遅筆で有名ですが、そんな彼にしては珍しく速い3年というペースで仕上げられたことも特徴と言えるのではないでしょうか。
この作品があり有名になったイタリアのミラノにあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ会修道院は、ユネスコの世界遺産(文化遺産)登録物件となりました。
この絵が描かれた食堂は19世紀にはナポレオン率いるフランス軍によって倉庫に使われ、第二次大戦中には爆撃を受けましたが、今もなお形をとどめています。
それではまた。
阿加井秀樹