「土着の神タラーブへの供物」について
みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
何年か前に東京都美術館で開催された「大英博物館展-100のモノが語る世界の歴史」に足を運びました。ロンドンの観光名所、世界最大級の博物館でもある大英博物館は、世界中のあらゆる地域と時代を網羅した700万点を越える膨大な量のコレクションがあります。
大英博物館に行ったことがある人ならわかると思うのですが、あまりにも広く見どころがあり過ぎて、とても一日では見て回れないほどのスゴさなのです。珠玉の100作品がセレクトされたのが大英博物館展でした。
私が見た中で今回紹介したいのが、イエメンで信仰されていた土着の神タラーブへの供物(アラビアの手形奉納品)です。
イスラム教以前に、イエメンで信仰されていたのは土着の神タラーブ。この手はイエメンの街の護り神タラーブに捧げられた供物ということでした。
青銅で出来た右手には血管が浮き出て文字が刻まれ、爪がくぼみ、小指が不自然に曲がっていたのでリアルでした。
手の甲の文字には「守護神の加護にそって自分の右手を捧げる」と記されているそうです。
当時は今よりも物や言葉に込められた力が信じられていたと思うので、願いや祈りの込められたものだろうと想像できました。
それではまた。
阿加井秀樹