時代に一石を投じた巨匠 ドミニク・アングル
阿加井秀樹です。
みなさんこんにちは。
今回は、
グランド・オダリスクで有名な「ドミニク・アングル」について
お話していきます。
19世紀後半あたりにフランスで活躍した画家のドミニク・アングルは新古典主義と呼ばれる流派でした。
正確なデッサンを基本とし、形態の美しさを重視していました。
しかし、有名な作品である「グランド・オダリスク」を見てみましょう。
どうですか?
素人が見ても何か違和感を覚えませんか?
全裸の女性が振り返っている構図なんですが、背中が非常に不自然なのです。
正確なデッサンを基本としたアングルはなぜこのような描き方をしたのでしょうか。
人の外見などを伝えるものといえば絵画しかなかった時代、
アングルも画家として成功をおさめつつある頃に、カメラが誕生しました。
カメラの誕生は多くの画家を驚かしましたし、「絵画は終わった」とまで言われていましたがアングルは既に確固たる地位を築き上げていたので問題はなかったはずです。
そんな中、若手の将来を心配したアングルが描いたのが
「グランド・オダリスク」でした。
美しい背中を描くということだけに注力したため頸椎が3つ多い背中を
描きだしたのですが、この作品は大きな批判を浴びることとなりました。