みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。
今回ご紹介する作品は先日同様ミレーの作品を取り上げていきたいと思います。
ご紹介する作品は「グレヴィルの断崖」という作品です。
この作品は、フランスの画家ジャン=フランソワ・ミレーにより1871年から1872年にかけて描かれた絵画です。
現在はアメリカ・ニューヨーク州バッファローにあるオルブライト=ノックス美術館に所蔵されています。
この作品は、緑色を帯びた茶色い斜面と、曇り空の日光に照らされた岩場沿いに波が砕け散る、グレヴィルの崖から見た海の様子を描いています。
1870年のフランコ・プルシアン戦争の間、ミレーはフランス北部のシェルブールにある家族の農場へと帰ります。
彼の家族は、イギリス海峡の灰色の海を見下ろす小さな農場を所有していました。
この間、ミレーはノルマンディー海岸の険しい美しさを描いた本作《グレヴィルの断崖》を含むいくつかの海景を描きました。
田園の労働者に焦点を当てた他の多くの作品とは異なり、この作品は原風景を特徴としています。
全体の描写は、横たわる緊張感があり波の絶え間ない前後の動きは、右下の前景から始まり、キャンバスの中央部の大部分にわたってうねる岩場の海岸線に激しく当たり、最終的には遠い地平線まで続いています。
非対称の部分は完全にバランスが取れているので、無秩序には見えません。
この時点でのミレーの絵画的技法は、モネなどの印象派やゴッホの作品に見られるような、ゆったりとした動きの筆運びを特徴としています。
画家は黒鉛とインクを使い、岩場の海岸線、岩石や崖の多様な影、水平線上の高所など、風景のさまざまな側面を引き立たせているのも特徴のひとつです。
それではまた。
阿加井秀樹