美術鑑賞を嗜む生き方 阿加井秀樹

はじめまして、阿加井秀樹と申します。趣味は美術鑑賞です。いただいた美術品が私にとって声も出ないほどの感動を与えました。その感動を皆さんにも伝えたいそんな気持ちでこのブログを書き記してまいります。

「行く春」

「川合玉堂の行く春」の画像検索結果

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

 

本日ご紹介する作品は川合玉堂の行く春という作品です。

 

川合玉堂1873年、筆墨紙商の長男として生まれ、12歳頃から親しむようになったといわれています。

 

1886年京都の画家青木泉橋が岐阜に来住すると、夫人も翠蘋と号する美人画家で、芳三郎少年は青木夫妻の知遇を得て大いに刺激を受けたといわれています。

 

本作品は1916年に描かれた作品で、6曲1双の屏風が対になった大型作品で、国の重要文化財に指定されています。

 

埼玉県の秩父長瀞を訪れた際の川下りの経験から着想した作品といわれ、作品の画面を横切るように雄大な川の流れが描かれています合玉堂の日本画としてはとりわけ絢爛豪華な作品で、舞い散る満開の桜、岸辺の岩に映える春の光、ゆったりと流れる川の水面など、美しい春の眺めを生き生きと表現しています。

 

季節や時の移ろいを感じさせるような、風流でありながら郷愁をも呼び起こす圧倒的な画力を持ち合わせ、日本人の原風景ともいうべき豊かな自然の美しさを、日本画にギュッと閉じ込めた作品です。

 

また、官展の中心作家として、またこの前年に東京美術学校教授に就任した玉堂は、画家として充実したその時期のみなぎる制作意欲に駆られて、自然の造化の力と季節のうつろいを統含した自然の大テーマの実現に向かったのです。

 

花鳥画の四条派と骨法の狩野派をあわせて学んだ玉堂は、それぞれから学んだものを駆使して、うつろいのうちに観照されるやさしい自然と造化の力を示す雄渾な自然の景観とを、ここで一つの画面にまとめあげています。

 

それではまた。

阿加井秀樹