阿加井秀樹です。みなさんこんにちは。
ロシアの絵画というと、あまりなじみがないという人も多いでしょう。
しかし、ロシアで最も知られている画家のひとりで、「ロシアのモナリザ」と呼ばれる「忘れえぬ人(見知らぬ女)」で魅力的な貴婦人を描いたのがイワン・ニコラーイェヴィチ・クラムスコイです。
クラムスコイは貧しい家に生まれましたが、サンクトペテルブルクの帝国芸術アカデミーで学びました。しかしながら当時イタリア美術を至高とする学校に反発して放校処分となって、美術家組合を組織といった美術上の路線対決の上に作品制作をした画家で、「移動派」と分類されています。
クラムスコイは1863年~1868年の間は実用芸術奨励協会、絵画教室の教員となっており、その後「レフ・トルストイ」、「イワン・シーシキン」、「パーヴェル・トレチャコフ」「ミハイル・サルトゥイコフ=シチェドリン」「セルゲイ・ボトキン」といった人物像を制作し、肖像画家として名前が知られていきます。
その後制作された「曠野のイイスス・ハリストス(イエス・キリスト)」はクラムスコイの代表作のひとつであり、イエス・キリストを英雄的に扱っているのが特徴です。
「ロシアのモナリザ」と称される「忘れえぬ人(見知らぬ女)」が制作されたのは1883年です。モナリザと同じく、モデルがはっきりしておらず、当時は、娼婦を描いたものとして批判されていたといいます。しかし人気は高く、美しさは罪といったテーマを一般に唱えさせた作品でもあります。
では、また。
阿加井秀樹